■日韓W杯以来の成果
もう一つ、評価したいのは若い選手が数多く活躍したことだ。
今回のワールドカップ代表には、いわゆる「東京オリンピック世代」の選手たち(2022年時点で25歳以下の選手たち)が多数組み込まれ、堂安律や三笘薫、田中碧、板倉滉、冨安健洋などが力を発揮した。
これまで、日本代表では若い選手はなかなかワールドカップで活躍できなかった。
2008年の北京オリンピックの日本代表には本田圭佑や香川真司、内田篤人、吉田麻也、岡崎慎司、長友佑都など才能ある選手が多数含まれていたが、北京オリンピック世代で2年後の2010年ワールドカップ南アフリカ大会のピッチに立つことができたのは本田、長友、岡崎の3人だけだった。
2年前のオリンピックに出場した選手たちが数多くワールドカップの舞台で活躍できたのは、フィリップ・トルシエ監督が若い選手を中心に強化してチームを作った2002年の日韓ワールドカップ以来のことである。
30歳を超えるベテランの長友や吉田から20歳代後半の遠藤航や伊東純也などの中堅、そして若い才能を結集して戦えたのがカタール大会の大きな成果につながったのである。