■PKキッカーの決定に表われていた森保ジャパン戦い方

 PK戦のキッカーは、蹴る意思を示した選手に託された。選手の自主性を尊重するのは、森保一監督らしい。

 カタールW杯のチームには、一体感があった。選手からは「いいチームだった」という声が聞かれた。26人全員が当事者意識を持って、ベンチの選手たちもプレーしている選手と同じ熱量で戦っていた。ベテランがチームを下支えする一体感は02年や10年のチームも感じさせたが、今回のチームは長友や川島永嗣が存在感を示し、これまでよりもさらに強い一体感が生み出されていた気がする。

 歴代のチームより優れた点がありながら、ベスト8の壁を破れなかったのはなぜか。対戦相手の違いはもちろんあるが、日本にも足りなかったものはあるはずだ。「足りなかったもの」を検証していきたい。

(7)へ続く
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