■後半アディショナルタイム弾で仙台が望みをつなぐ
プレーオフ出場を巡る一戦はなおも続く。次は１６時０３分キックオフの仙台対熊本戦である。
３連敗中の仙台は前節から先発を４人入れ替え、中盤と前線の形も変えた。ＦＷ富樫敬真とＦＷ中山仁斗の２トップにすると、３分に富樫が１１試合ぶりのゴールを決めて先行する。
仙台は１点リードのまま終盤を迎えるが、７５分にＣＫから同点に追いつかれてしまう。４試合勝利のないチームに暗雲が漂うものの、アディショナルタイムにドラマが待っていた。９０+２分、ＭＦ遠藤康の右ＣＫをＭＦフォギーニョが頭で合わせる。伊藤彰監督が「最後の最後まで粘り強く戦ってくれた」と話したように、仙台が５試合ぶりの勝利で貴重な勝点３をゲットした。
この時点で仙台が勝点６２の６位に浮上し、勝点６１の山形が７位で続く。勝点５８の東京Ｖと千葉は、残り１試合で仙台に追いつけないため脱落が決まった。
この日最後の一戦は、徳島対大宮アルディージャ戦だった。ライバルの結果が明らかになっているだけに、徳島からすればやりにくさはあっただろう。それでも、１８戦負けなしのクラブ記録を更新中のチームは、３対１で勝ち切った。U―２１日本代表ＦＷの藤尾翔太が、２ゴールの活躍を見せた。
この結果、徳島は勝点６２として、得失点差で仙台をかわして６位を奪い返している。徳島、仙台、山形の３チームが、Ｊ１参入プレーオフ出場をかけて最終節に臨むこととなった。
Ｊ２残留争いでは、２０位のザスパクサツ群馬がいわてグルージャ盛岡に大勝し、Ｊ２残留を決めている。岩手と千葉に敗れた琉球は、２１位以下が確定した。J３の上位２チームにJ２ライセンスが交付されると、両チームは降格となる。
今節は試合のなかったヴァンフォーレ甲府にも、触れておくべきだろう。１６日に天皇杯決勝に臨み、サンフレッチェ広島を下したのだ。１対１で迎えた延長後半にＰＫを献上したが、ＧＫ河田晃兵が渾身のセーブでストップした。守護神はＰＫ戦でも相手のキックを止め、甲府は５対４で広島を振り切る。Ｊ２で１８位と苦しむチームが、クラブ初のメジャータイトルを獲得したのだった。
