■前田の1トップに見えた「攻め筋」

 25分の先制点も、敵陣でのパスカットをきっかけとする。伊東が右サイドでボールを奪い、ドリブルで運ぶ。内側へ切り返したボールを守田が引き取り、ペナルティエリア内左の鎌田が右足ワンタッチシュートで流し込んだ。

 その後も前線から意欲的にプレッシャーをかけ、相手のミスを誘発した。1トップの前田が守備のスイッチを入れ、奪い取れる場面では遠藤や守田も高い位置へ出ていった。

 今回の2試合の大きなテーマは、大迫以外の1トップで「攻め筋」を見つけられるかにある。前田が出場した場合は彼のスピードを生かし、前線からの守備をシュートカウンターにつなげるとの方向性は、W杯本大会にもつなげられるものだ。

 前線からのハイプレスが、ドイツ相手にどこまで通用するのかは分からない。GKノイアーを使って、うまく回避されてしまうかもしれない。それでも、執拗に追いかけまわされたら、GKやDFはストレスを感じるものだ。そのうちの1回でも引っ掛けることができ、それが得点につながれば、ドイツを慌てさせることだってできる。アメリカ戦の前半の戦いぶりは、収穫にあげていいものだった。

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