このミッドウィーク唯一のJ1リーグ戦は、台風の影響で延期されていたマリノスvs湘南。湘南は3日に首位だった川崎を撃破しており、神奈川ダービーを連勝して残留に近づくか、という試合だった。
湘南は川崎戦で、ただ勝つだけでなく「単純だが、用意してきたもの・意識していたものを出してくれた」(山口智監督)という試合内容を披露していた。受けるだけでなく相手陣内でボールを持つ、ということや、川崎の右サイドを突く、ということなど、相手が嫌がることをしながら自分たちの特長を出す、ということを実現したパフォーマンスは「どんな相手でも、どんな状況でも、これを出せればいい」(山口監督)、「自信につながる試合だった」(茨田陽生)と、チームを上向かせるきっかけとして申し分なさそうだった。
しかし、連勝とはならなかった。
序盤は、湘南の狙いが伝わってくる場面もあった。ボールをキャッチしたゴールキーパーの谷晃生が素早くロングキック。そのボールを、素早い攻守の切り替えで既に相手陣内まで達していた右サイドの石原広教が収めてみせた。サイドバックが不在のスペースを使うこの形からは明確な意図が感じられた。
先日のACLでは神戸がマリノス対策を披露していた。ゴールキーパーからのロングボールを前線で収め、そこから一気に逆サイドを突く、という攻撃だ。それはサイドバックが内側に入って攻撃参加をすることが多いマリノスにとって嫌なものであり、それによる得点で神戸が同国対決を制した。