J1の優勝争いの構図が、ようやくはっきり見えてきた。昨季王者の川崎フロンターレと、3シーズンぶりのタイトル奪還を狙う横浜F・マリノスによる一騎打ちだ。先週末のJ1第28節は優勝争いの鍵となる戦いとなった。9月上旬にもタイトルの行方を左右する試合が待つ。マッチレースとなる可能性が高い優勝争いを、サッカージャーナリスト・後藤健生が読み解く。
■消化試合数の「逆転」
J1リーグ第28節(9月3日)でFC東京と引き分けに終わった横浜F・マリノス。AFCチャンピオンズリーグ(ACL)に出場していたため、横浜にとっては8月18日のACLラウンド16ヴィッセル神戸戦以来、16日ぶりのゲームだった。
横浜がACLのためにお休みだった8月後半に、川崎フロンターレは延期分を含めて3試合を消化。事実上の優勝争いをしていた両チームの消化試合数がほぼ並んだため、優勝争いの構図がようやくはっきりと見えてきた。
これまでは、川崎の方が消化試合数が2試合ないし3試合少ない状態が続いていたため、見かけ上の順位が低く、首位を走る横浜との“ゲーム差”が見えにくかった。だが、8月最後の第27節のサガン鳥栖戦でリーグ戦4連勝を飾った時点で川崎の方が逆に消化試合数が1試合多い状態となって、川崎が暫定首位に立ったのだ。
まだ、7試合も残っている状態だったし、また、横浜の方が消化試合数が1試合多い状況を考えれば、8月末の時点では横浜が事実上の首位で川崎は勝点2の差で2位に付けた状態だった。