日本代表の6月シリーズが終了した。4試合を戦い、2勝2敗。星勘定は五分だが、その中には課題や収穫など、たくさんの要素が詰まっていた。11月のワールドカップに向けて、この4試合をどう活かしていくのか。ベテランジャーナリストの大住良之と後藤健生が徹底的に語り合った。
■懸案だった1トップ問題
――懸案の1トップ問題の解決策は見えましたか。
後藤「見えません(笑)」
大住「そこが最も大きな問題だよね」
後藤「大迫勇也の復活を期待するだけです」
大住「今回のシリーズの1トップでは、浅野拓磨はプレスをかけるのはいいけど、ボールを受けるとどうなるのか分からない感じだし」
後藤「今までの浅野よりはいいんじゃないの。パラグアイ戦で点も取ったし、チュニジア戦でも落ち着いていた。今回の1トップの中で比較するなら、浅野が一番だったかな」
大住「もう少し前田大然に時間をあげてほしかったけど」
後藤「そうだね。上田綺世は途中で離脱しちゃったしなあ」
大住「前田の動きを軸に、攻撃をつくったらいいんじゃないかと思うんだけど。大迫みたいな前線でボールを受ける選手を軸にするのではなく、前田みたいに動いて動いて、また動いて、空いたスペースに別の選手が入っていく、というプレーを軸にした方が、ワールドカップで通用するんじゃないかなと思うんだけどね」
――どちらかと言えば大迫とタイプが似ている上田ではなく、ですか。
大住「上田はもうちょっとできるかと思ったけど、できないうちにケガで帰っちゃったからね」
後藤「出ている時間でも、何かできたわけじゃない」
大住「一発、上田らしい体重が残ったシュートがあったけど、ブロックされていたね」
後藤「上田はこれまでも、代表に呼ばれても離脱することが何度もあった」
大住「代表に呼ばれるたびにケガをする。大島僚太もそうだった」
後藤「代表に縁がないけど良い選手、というのはたくさんいるからね」