■W杯へリスタートを突き詰めるべき

 カタールW杯アジア最終予選までは、対戦相手を「個」で上回ることができていた。大迫勇也のキープ力、伊東のスピード、三笘のドリブル突破といったものが、チームの拠りどころとなっていた。

 しかし、ブラジル戦では伊東も三笘も決定的な仕事をさせてもらえなかった。パラグアイ戦で評価を再浮上させた堂安律も、20分弱の出場で見せ場を作れていない。

 W杯での戦いを見据えると、「個」を生かす前提としてのサポートが必要だろう。数的優位の局面を作り出す、フリーランニングでスペースを生み出すといったように、個人のスキルに任せるのではなく、スキルを発揮できる状況を整えるのだ。マッチアップするDFとの駆け引きで、アタッカーが布石を打てるような展開へ持ち込みたい。

 リスタートの重要性にも、いま一度目を向けるべきだ。

 最終予選では、CKや直接FKからの得点がなかった。ブラジル戦では遠藤航板倉滉が際どいヘッドを放っており、吉田麻也に加えて酒井宏樹伊藤洋輝ら出場すれば、ターゲットの数としては十分だ。冨安健洋に戻ってくれば、彼の高さも生かせる。ここから先は時間との戦いになってくるが、リスタートのバリエーションを増やしたいところだ。

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(2)へ続く
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