【サッカー日本代表「新たな武器」】“レギュラー左SB”長友佑都になく“初招集”伊藤洋輝にあった「4つのストロング」【森保ジャパンがパラグアイ戦で得たもの】の画像
伊藤洋輝   撮影/中地拓也

■6月2日/キリンチャレンジカップ  日本代表 4ー1 パラグアイ代表(札幌ドーム) 

 サッカー日本代表が、南米の強豪・パラグアイ代表を相手に快勝を収めた。前半36分にFW浅野拓磨がMF原口元気のタテパスに抜け出し、冷静なループシュートで先制点をあげる。同42分にはペナルティエリア右サイドから右WGの堂安律が左足で早く鋭いクロスを上げ、MF鎌田大地が飛び込み、ヘディングゴールで2点目を奪った。

 後半14分、自軍でのパスの乱れからパラグアイにゴールを決められ1点差に迫られたが、すぐさま左WG三笘薫が絶妙の抜け出しから、相手ゴールキーパーをあざ笑うかのようなボールを浮かしたシュートを決める。さらに後半40分、FW前田大然の諦めないボールチェイスからボールを受けた鎌田がヨコパス、それをMF田中碧がGKの動きを冷静に見極め、ニアサイドにミドルシュートを叩き込んだ。

 強豪パラグアイを相手に見事な4-1での勝利。多くの選手が輝いたこの試合だったが、まず大きな注目を集めたのは、代表初招集で初のフル出場となったDF伊藤洋輝だろう。

 この日左SBに入った、5月12日に23歳になったドイツ・シュツットガルト所属の伊藤は開始2分、いきなり魅せる。マークする相手DFを振り切って裏に抜け出そうとするFW浅野へ、左足での低くて速い高精度のロングパスを供給したのだ。残念ながら相手DFにカットされてしまったが、つながる可能性を十分に感じさせてくれるパス、そしてその美しい軌道に、客席からは「おぉーーー」という声が上がっていた。

 さらに、5分、今度はオーバーラップで魅せる。右サイド、堂安が左WGの三笘にサイドチェンジのパスを蹴る瞬間にスピードアップ。三笘が胸トラップする間に彼を追い越し、三笘からタテパスを受ける。パラグアイ陣の右サイド奥に侵入した伊藤は、中をよく見てマイナスに鋭く低いセンタリングを上げる。伊藤と完璧な意思疎通があった堂安の強烈な左足シュートは、相手GKに阻まれてしまったものの、伊藤のオーバーラップのタイミング、センタリングの質、精度、すべてが高いクオリティを感じさせるものだった。

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4