■アピールが必要な選手たち
さて、FC東京では代表活動に向けてのアピールをしたい長友。ポルトガル行きを前にした小川という、それぞれの事情を抱えた選手たちが活躍した。ケガで離脱しており、ようやく復帰したばかりだが、攻撃の起点としてチーム力を大きくアップさせた森重も「復活」をアピールしたい状況だったし、U-21日本代表での真剣勝負を前にした松木もその成長ぶりを精一杯にアピールした。
一方、鹿島アントラーズで「アピールしたい」気持ちが最も強かったのは、ワントップの上田綺世だろう。
6月シリーズに向けて招集された日本代表のリストには、これまで不動のCFだった大迫勇也の名前がない。今シーズンに入ってからパフォーマンスが低下したことによるものだ。
その大迫に代わって日本代表の攻撃の軸となるのが誰なのか? 6月シリーズに臨む日本代表の最大の注目ポイントだが、その最有力候補の1人が上田なのだ。
代表のCF候補としては、上田以外にセルティックで活躍し、途中に長い離脱機関があったものの、復帰後も活躍してシーズン2桁ゴールを記録した古橋亨梧がいる。また、同じセルティックでプレーする前田大然も、セルティックではサイドアタッカーとして使われることが多いが、トップでプレーすることもできる。同じくスピードが売り物の浅野拓磨も代表でのプレー経験も長く、森保一監督には重用され続けている。
こうしたCF候補を見渡してみると、古橋、前田、浅野はいずれもスピード系の選手である。トップ下からのスルーパスや、後方からのロングボールを追って相手守備ラインの裏に飛び出して決めるのが得意な選手ばかりだ。
一方、上田綺世は飛び出してのシュートもうまいが、同時にトップでターゲットとなってポストプレーもこなせるし、ヘディングも強い。要するに、「総合的センターフォワード」なのである。