■狙い通りの得点

 こうして、左サイドのアダイウトンと小川、そして松木の3人のコンビネーションで崩したFC東京は、トップのディエゴ・オリヴェイラを使い、さらに右SHのポジションから中に入ってくる渡邊には中に入ってプレーさせてシュートを狙わせたのだ。

 33分の先制ゴールは、まさに狙い通りの形。

 森重真人からのパスを受けた小川が、右サイドから入ってくる渡邊に斜めのパス。受けた渡邊がディエゴ・オリヴェイラとのワンツーでフリーになって落ち着いてゴール右下隅に決めた。そして、42分には右タッチライン沿いでアダイウトンがスピード・ドリブル。鹿島のDFブエノとの競り合いを突破したアダイウトンが中央に送ったクロスを受けたディエゴ・オリヴェイラは、DFの三竿健斗と絡みながらさらに右につないで、走り込んできた渡邊が今度は左上隅に強烈に突き刺した。

 こうして、2点をリードしたFC東京。後半の立ち上がり(50分)にはまたも左サイドを使って崩してPKを獲得する。

 森重からのパスを受けた松木が相手DFライン前のスペースを見つけて必殺のスルーパス。このパスをディエゴ・オリヴェイラがワンタッチで左にはたくと、アダイウトンはそのままボックス内にドリブルで進入。ブエノのファウルを誘ったのだ。FC東京は、ディエゴ・オリヴェイラがこのPKを決めて3点のリードを奪った。

 前半は20分まで完全にゲームを支配していた鹿島は、FC東京が攻撃に切り替えたのに対応できずに、守備が崩れてしまった。1点を失うとバタバタしてしまったのは、この数試合失点が続いており、守備に自信を失っているからだろう。攻撃面では見事な形を作っている鹿島だが、守備面の再建が急務ということになる。

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