■5月21日/明治安田生命J1第14節 浦和レッズー鹿島アントラーズ(埼玉)
『浦和30周年記念試合』は、ボルテージが最高潮にまで上がった試合となった。因縁の相手である鹿島アントラーズとの対戦だっただけでなく、6戦連続ドローという状況だったため、サポーターとしては勝利を何よりも欲したからだ。
その気持ちは、試合前から表れていた。選手がスタジアム入りする際、選手を乗せたバス待ちをするサポーターが応援歌を熱唱し、クラブスタッフらが止めに入る事態となった。新型コロナで応援の形を制限される中での出来事だった。
試合開始前には、サポーターによって大々的に作られたコレオが埼玉スタジアムを彩った。この試合で作られたのは、「30」という記念の数字だ。クラブの節目を彩る数字を掲げ、勝利を欲した。18日の横浜F・マリノス戦で、Jリーグのクラブとしては初めてとなるホームスタジアム来場者数1500万人を突破。その勢いを、3万7000人を超えた入場者数が見守るピッチでも表したかった。
しかし、試合は開始6分で失点してしまう。首位争いをする鹿島アントラーズの強度の高いプレーに対応できないまま、相手の攻撃を許してしまったのだ。それでも、前半終了間際に明本考浩がPKを獲得。アレクサンダー・ショルツがこれを決めて同点に追いついてみせた。記念試合に黒星をつけるわけにはいかなかった。