■90+3人に先制し、4分後に追いつかれた山形
アディショナルタイムのドラマに沸いたのは、モンテディオ山形対大分トリニータ戦だ。
5位対9位の上位対決は、90+3分に山形が先制する。山田康太のパスをチアゴ・アウベスがゴール前で収め、密集のなかで冷静な判断を下してシュートのタイミングを作り出す。ブラジル人MFの2試合連続弾で、山形が5連勝に大きく前進した。
ところが、試合はまだ終わらないのだ。7分のアディショナルタイムが終わりに近づいた90+8分、大分がペレイラのヘディングシュートで同点に追いついたのだった。
結果の受け止めかたは対照的だ。
ルヴァンカップ出場で9連戦だった大分は、「勝点1を持ち帰ることをポジティブにとらえることができる」(下平隆宏監督)。それに対して山形は、「勝点3を取れずに残念」(ピーター・クラモフスキー監督)との思いに駆られただろう。
クラモフスキー監督のもとで、山形は魅力的なフットボールを展開している。気になるのは、後半アディショナルタイムの失点だ。4節のヴァンフォーレ甲府戦、6節の東京ヴェルディ戦、再試合が決まっている8節のファジアーノ岡山戦に続いて4度目で、いずれも勝点3を取り逃している。J1昇格争いの本命へ躍り出るには、時にはしたたかに、時には泥臭く勝点3を取っていくことが求められる。