■兄弟子と相容れぬ訳
そのペトロヴィッチがJリーグのサンフレッチェ広島の監督に就任するのに伴って、ポポヴィッチもアシスタントとして来日することになる。
その後、ポポヴィッチは大分トリニータ、町田ゼルビア、FC東京、セレッソ大阪で監督を務め、一度は日本を離れたものの、昨年、再び町田の監督に就任して今シーズンは町田をJ1昇格が狙える位置にまで強化することに成功した。
グラーツではコーチと選手、広島では監督とコーチの立場だったペトロヴィッチとポポヴィッチは不仲が伝えられている。2人ともオシムの弟子らしく攻撃的サッカーを志向するのは同じだが、攻撃的MFだったペトロヴィッチがより理想を追及するタイプなのに対して、DF出身のポポヴィッチはアグレッシブな守備を構築する監督だ。
だが、徳島戦の後の記者会見で「結果は負けたが、内容はわれわれの方が上だった」と主張し続ける姿を見ているとポポヴィッチとペトロヴィッチの姿はダブってみえてしまう。