■徳島戦が白熱した理由

 もちろん、大声を張り上げるのはホームの「天空の城」でだけではない。

 4月27日に行われたJ2リーグ第12節は、今季のJ2リーグで首位を走り続ける横浜FCとのアウェーゲーム(@ニッパツ三ツ沢球技場)だったが、試合内容が激しいものになったこともあってポポヴィッチ監督は繰り返し審判団に異議を唱え、ついに76分には主審の大坪博和氏にイエローカードを示されてしまった(これに追随したのか、89分にはピッチを退いてベンチにいた鄭大世も判定に異議を唱えてイエローカードをもらった)。

 中3日で行われた第13節。ホーム「天空の城」での徳島ヴォルティス戦でも、ポポヴィッチ監督が大人しくしているわけはない。この試合では対戦相手の徳島のダニエル・ポヤトス監督と何度もやり合っていた。かつてスペインでプレーし、またスペインのクラブでも監督を経験したポポヴィッチ監督はスペイン語も堪能なので、直接やり取りできるのだ。

 こうして、徳島との試合でも“ポポヴィッチ節”が炸裂したのである。

 もちろん、悪意があるというわけではない。異議を唱えた後は、愛嬌ある笑みをたたえて握手を求めることもあるし、タッチライン脇に控えている担架要員をねぎらうような素振りも見せれば、スローインを投げに来た相手チームの選手の肩を抱いて何事か囁くこともある。とにかく、にぎやかだ。

 ポポヴィッチ監督のこうした態度については良く思わない人もいるだろうが、選手やチームを活性化させる効果はあるのかもしれない。

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