例年どおり、J2では熾烈な戦いが続く。その中で、サッカージャーナリスト・後藤健生はFC町田ゼルビアに注目する。初のJ1昇格を狙う町田の戦いぶりと、率いる指揮官、さらにJ2を変化させている外国人監督たちについて考察する。
■選手に負けない注目ポイント
FC町田ゼルビアは、本拠地の町田GIONスタジアム(町田市立陸上競技場)を「天空の城 野津田」と名づけてブランディングを行うプロジェクトを行っている。野津田公園の丘の上にあり、周囲を多くの木々に囲まれたスタジアムの特性を生かして地域のシンボルとしようというプランである。
そして、その「天空の城」にはいつもランコ・ポポヴィッチ監督の大声が響き渡っている。
試合中に選手を鼓舞したり、相手選手のラフプレーに抗議したり、審判の判定に異議を唱えたりする声である。目の前を行き来する副審に対して圧力をかけ、そして、テクニカルエリアから出てハーフライン付近にいる第4審判に判定への疑問を投げかける、その声である。
試合がつまらなければ、ポポヴィッチ監督を見てさえいれば、それだけで楽しめること必定である。