そして、第2次世界大戦後に韓国が独立すると、日本と韓国はワールドカップ予選やオリンピック予選で何度も対戦したものの、成績は韓国が圧倒的に強く、日本代表は1959年以降15年間も韓国に一度も勝てないという時期もあった。
■両国の歴史が物語る「自明の理」
当時の韓国人の意識は「日本に負けるわけはない」というものだったし、だから韓国人にとってサッカーは民族としての“自尊心”だったのだ。
Jリーグ発足後に日本のサッカーは急速に強化され、この30年間、日本と韓国は互角の戦いを繰り広げてきた。それにしても、そうした過去の歴史があるにもかかわらず、今回のACLでは韓国チームは日本チームに最大限のリスペクトを示して、「守ってカウンター」というコンセプトを徹底してきたのだ。
「“自尊心”はどうしたか?」と問うてみたいものである。
しかし、いずれにしても韓国の「守ってカウンター」という戦法はこれまでのところ非常に有効で、韓国チームと同居していないヴィッセル神戸以外の日本の3クラブは韓国勢に苦しんでいる。
日本チームはパス回しはうまいが決定力不足。一方、韓国には勝負強い個の力を持ったFWがいる……。それは、過去数十年の両国の対戦を振り返れば自明のことであり、そうしたサッカー・スタイルの差を考えれば、韓国チームの選択は理解できる。