今季のACLに参加している日本勢は、各グループで接戦を強いられている。鍵となるのは、韓国勢との対戦だ。ここまでの苦戦、そしてここからグループステージを突破するための大事な要素を、サッカージャーナリスト・後藤健生が読み解く。
■ボール支配率では劣らなかった日本勢
浦和レッズは、大邱FCに対してけっして内容的に劣っていたわけではない。ボールを握って、多くのチャンスは作っていた。ただ、相手のファイブバックの守備を崩し、決定的な形が作れず、そして2試合を通じてたった一度、守備の集中を欠いて得点を許してしまったのだ。
同様に、横浜F・マリノスが全北現代モーターズに敗れた試合も、横浜FMのボール支配率は69.2%に達し、シュート数も18本対9本で全北の倍のシュートを撃っていた。
もちろん、横浜FMの攻撃も大邱戦の浦和と同じで、選手の動きも悪かったし、パスの精度が非常に悪く、バイタルエリアあたりに進入した選手に対してボールを付けることができなかった。
しかし、それでも決して内容的に劣っていた試合ではなかった。
川崎が、最後の最後で粘り強さを見せて追いついた蔚山現代戦でもボール支配率はほぼ互角(川崎の49.9%)だったが、シュート数では川崎が13本、蔚山が3本(枠内は6本対2本)と川崎が上回っていた。
つまり、4月24日までに行われた日韓対決の5試合は、すべて日本勢がボールを握って攻撃を仕掛ける時間が長かったものの、韓国勢の分厚い守備を崩すことができず、カウンターから失点してしまうというパターンの試合だったわけである。