■パスを回しても怖さがない日本チーム
川崎戦での蔚山現代の先制ゴールは、最終ラインからのロングボールがトップのレオナルドに入り、レオナルドがそのままスピードを生かして持ち込んでのゴール(ただし、レオナルドのコントロールは明らかなハンドだった)。そして、横浜FMの失点は、全北現代の左サイドバック金珍洙のドリブルによる単独突破を許し、松原健が倒してしまってのPKによるものだった。
つまり、今大会では韓国勢は日本のクラブとの対戦ではすべて割り切って分厚く守ってカウンターを狙うというコンセプトを徹底してきたのである。
日本のチームはテクニックに優れて、パスをつなぐ能力では韓国を上回っている。ただ、最近は韓国チームのプレースタイルも変化しており、パスをつなごうとするチームが増えてきていた。
だが、今回のACLに限っては、韓国勢は日本チームにボールを持たせて、引いて守ってからのカウンターを狙っているのだ。
その裏には、「日本チームはパスを回すのはうまいが、パスを回されてもそれほど怖くはない」という韓国側の共通認識があるのだろう。