【「ドラマティックゴール」J2】元浦和レッズ・大槻毅監督が率いる群馬が起こす「旋風」と“劇的同点弾”水戸・秋葉忠宏監督「ディス・イズ・フットボール!」の叫び!【戸塚啓のJ2のミカタ】(2)の画像
大槻毅監督(群馬)   写真:YUTAKA/アフロスポーツ
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■岩上のスーパー弾で群馬が3連勝を飾る

 区切りの10試合を消化したJ2リーグで、注目を高めているのはザスパクサツ群馬だ。ここまで5勝2分3敗で、4位につけているのだ。

 今シーズンは開幕節でモンテディオ山形に1対0で競り勝ち、3節では昇格候補の仙台とアウェイで引分けた。6節はアルビレックス新潟に、7節はV・ファーレン長崎に敗れて連敗となったものの、8節の水戸ホーリーホック戦、9節のいわてグルージャ盛岡戦に勝利し、今節はFC琉球を1対0で下した。J2では横浜FCとFC町田ゼルビアに次いで、3チーム目となる3連勝を達成した。

 決勝点は前半開始早々の8分、岩上祐三の左足ミドルだった。「立ち上がりなので思い切り振り抜いたら、良いところへいってくれた」という一撃は、4月の月間ベストゴールの有力候補となるファインゴールだった。

 今シーズンから大槻毅監督が率いる群馬は、ボール保持率にこだわらないと言われる。数字を見ればそのとおりなのだが、だからといって守備偏重ではない。自陣からボールをつなぐこともできるし、相手のプレスを剥がして前進することもできる。カウンターも鋭い。相手のウィークポイントを見極めた立ち位置を取り、琉球戦では左サイドハーフの天笠泰輝が3バック脇のスペースを活用していた。

 ここまで10試合で10得点と、得点力は十分でない。大槻監督は「どの試合でも1点取られそうな場面はあるので、今日は1対0で勝てましたけど、もう1点取りにいくチャレンジをしていきたい」と話す。

 その一方で、指揮官の緻密な分析とハードワークを裏付けとした守備は、10試合を8失点で乗り切っている。リーグ最少3位だ。GK櫛引政敏、長身CBの畑尾大翔と城和隼颯を中心に、岩手、琉球とのアウェイゲーム2連戦を「ウノゼロ」で終えた。

「スタメンの11人だけでなくサブの選手、ベンチ外の選手もしっかりやってくれているので、一体感を持ってやれている。それが結果につながっているのでは」とは、ゲームキャプテンを任されている岩上だ。

J2での過去最高位は2008年と2011年の9位で、2019年のJ2復帰後は20位、18位と下位に沈んだ。元日本代表でキャプテンの細貝萌が仙台戦で負傷し、長期離脱を強いられているなかでの安定感ある戦いは、過去2シーズンとの違いを感じさせる。これから本格的に注目が集まっていきそうだ。

 敗れた琉球は1勝2分7敗で、今節初勝利をあげた大宮アルディージャに抜かれて最下位へ転落した。いつもの4バックから3バックへシステムを変更し、群馬対策をしながらの敗戦は、ダメージが小さくないだろう。

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