大住良之の「この世界のコーナーエリアから」第86回「FIFAランキングの怪」(3)ブラジル代表を22位に突き落とした計算システムの欠陥の画像
確かに2014年W杯では最後に失意を味わったブラジルだが… 写真:渡辺航滋

 サッカーは無数のディテール(詳細)であふれている。サッカージャーナリスト・大住良之による、重箱の隅をつつくような「超マニアックコラム」。今回は、FIFAランキングなる不可解な数値について。

■日本は地元W杯で24位に上昇

 1999年1月にポイントの計算方法が手直しされたとき、日本は前月の20位から30位へと落ちた。2002年ワールドカップのチームづくりを任されたフィリップ・トルシエ監督は日本代表の世代交代もあって2000年の2月にはランキングを62位(これが1993年以来現在に至るまで最も低い順位)まで下げたが、10月のアジアカップ(レバノン)優勝で大きくポイントを稼ぎ、30位台に回復、2002年ワールドカップでのベスト16進出で24位まで上げた。

 トルシエの後継者となったジーコ監督も、2004アジアカップ(中国)優勝で大きくポイントを獲得、5年ぶりに10位台に上げた。アジアカップなど地位連盟の選手権決勝大会はワールドカップ決勝大会よりは落ちるものの、高い「重要度」が設定されている。

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