■胡散臭いコンサルタントまで登場
ブラジルは1994年にランキング1位となり、年間通算で1位だったことが12回もあった。2009年までは「トップ3」から落ちたこともなかった。しかし2014年ワールドカップのホスト国になったことで、本来なら18試合も戦うワールドカップの南米予選への出場がなく、代わりに親善試合ばかりすることになった。親善試合の「重要度」は非常に低いためポイントが伸びず、ワールドカップの1年前、FIFAコンフェデレーションズカップを前にした2013年6月には「22位」という信じ難い順位に落ち込んだ。
これは明らかにランキングシステムの欠陥だった。2010年代には、親善試合をほとんどせずにFIFAランキングを上げるというチームまで生まれていた。さまざまな大会のシード決定にランキングが使われる以上、上位進出を目指すにはランキングが高いほど有利だからだ。ルーマニアに至っては、「ランキング・コンサルタント」なる者と契約を結び、ワールドカップ抽選会前の1年間は、1試合しか親善試合をしなかったという。
そこでFIFAはより信頼度の高いと思われる計算システムを導入、2018年8月発表のランキングからこの方法を使った。その結果が、「ワールドカップでベスト16にはいりながら55位」という日本のランキングだったのである。