介抱している方は看護婦さんだそうで(今では「看護師さん」と言う方が普通ですが、20世紀では「看護婦さん」の方が一般的でした)、「今は動かさない方がいい」というので、僕はレストランの従業員たちに英語でそれを伝えました。あとは、「看護婦さん」にお任せするしかありません。
■思わぬ日本代表との縁
しばらくすると、倒れていた女性が目を覚ましました。そして、第一声でこう言ったのです。
「あ、後藤さん!」
これまた、ビックリですよ。
「ああ、僕の顔を知っているということは、この人たちもサッカー関係で来た人たちなんだな」と思っていると、その倒れていた人が看護婦さんだと言う女性に対して、こう呼びかけたのです。
「T原さん」
「え、『T原さん』というと、もしかしたら……」
そう、その看護婦さんだという女性は、なんと日本チームの9番のT原選手のお母さんだったのです。