■横浜FCが不敗を守って首位堅持
J2リーグは5試合を終え、J1昇格候補の明暗が分かれている。
首位の横浜FCは連勝が「4」で止まった。2勝1分1敗で5位のファジアーノ岡山のホームへ乗り込んだ今節は、19分にPKで先制点を許す。前半はシュート2本に終わり、ビハインドを背負ったままハーフタイムを迎えた。
追いかける横浜FCは、63分の2枚替えをきっかけに試合の流れを引き寄せる。山下諒也とフェリペ・ヴィゼウの起用で攻撃の迫力が増し、70分にフェリペ・ヴィゼウがヘディングシュートを突き刺す。岡山が誇るヨルディ・バイスと柳育崇の両CBの間に、巧みに走り込んでネットを揺らした。
最終盤にはCKから追加点の好機を作ったが、相手GKのセーブに阻まれる。アディショナルタイムにもフェリペ・ヴィゼウが際どい場面を迎えたが、利き足ではない右足のシュートはバーを越えていく。直後、試合終了のホイッスルが鳴り響いた。
5連勝こそ逃したものの、4勝1分の勝点13は悪くないスタートだ。この時期の順位が大きな意味を持たない一方で、つかんだ勝点が減ることはないからだ。
長谷川竜也、イサカ・ゼイン、小川航基、山下らの新戦力がチームを押し上げている。3節から3試合連続で先制点を許しているのは課題で、先行逃げ切りのパターンを確立できれば、さらに戦いぶりが安定していくだろう。
2位のFC町田ゼルビアと4位の東京ヴェルディによる「東京クラシック」は、東京Vが2対1で勝利した。町田にはリーグ戦4試合連続で勝利がなかったが、この日は36分に杉本竜士がヘディングシューを決め、60分にも杉本が追加点をゲットする。74分にオウンゴールで1点差に迫られたものの、東京Vは2対1で勝ち切った。堀孝史監督率いるチームは3勝2分の勝点11で3位に浮上し、3勝1分1敗となった町田は勝点10のままで4位に後退した。
この試合最初に決定機をつかんだのは町田だった。3分の得点機を鄭大世が決めていれば、違うストーリーが描かれたかもしれない。
ただ、東京Vの勝利には合理性がある。ボールポゼッションに優れる選手が多いなかで、今シーズンは縦へのスピードが追及されている。足元でつなぐだけでなく、相手の背後を突く意識も高い。何よりも、攻守の切り替えが徹底されている。失ったボールを素早く回収する、マイボールになった瞬間に相手より先に動き出すといって作業を、ピッチに立つ選手たちが遂行しているのだ。