■終盤には5バックで守り切る

 江坂が2得点を挙げ、川崎の攻撃陣もシャットアウト。結果だけでなく、内容でも川崎を圧倒する完勝だったが、リカルド・ロドリゲス監督は「欲を言えばもう少しボールを持って主導権を握って、敵陣のゴール近くでプレーする時間を長くしたい」とけっして満足してはいない。

 昨季、天皇杯決勝の大分戦で試合中にシステムや戦い方を何度も変えたように、この試合でも何度も変えた。勝利を掴むために、終盤にはDF犬飼智也を入れて5バックも用いた。戦術家であるだけでなく、勝負師としても采配を振るった。

 Jリーグ2連覇中の川崎を相手に完勝したことで、優勝の2文字も浮かぶ22年シーズンの好発進を果たしたわけだが、この試合で、そのキーマンと呼べる男がいた。それが、MF岩尾憲だ。

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