■リカルド・ロドリゲス「FWの仕事も優れている」

 川崎は後半から左ウイングにマルシーニョを投入し、チャナティップを中盤に下げて攻めの枚数を増やすが、浦和の守備はほころびを見せない。次々と攻撃的なカードを切るJリーグ王者に対し、試合を決定づける得点が記録されたのは81分のこと。決めたのは、またしても江坂だった。

 DF車屋紳太郎と対峙した明本考浩が、中央にパス。江坂はこれを受けると、日本代表DF谷口彰悟と1対1の状況になるが、そのワンタッチ目で谷口の逆をつくと素早く左足でシュート。必死に足を伸ばした谷口の股を抜いて、ボールをゴールネットに突き刺したのだ。

 この日の浦和のメンバーで、純粋なFW登録の選手は実は一人もいない。公式記録では江坂と明本がFW登録になっているが、実際的にはゼロトップのような布陣で、川崎守備陣にとって対峙しにくい形を作った。また、昨季は、江坂の相棒を小泉が務めることが多かったが、この試合では、昨季は左サイドバックでの出場が多かった明本を起用。指揮官は、このユーティリティプレイヤーを「FWとしての仕事も優れていて、できる能力があると思っています。今日でいうと、プレスであったり、もちろん得点を奪うことも彼の武器です」と評価し、ズバリ采配を的中させてみせた。

 明本の代わりに左サイドバックに入ったのは大宮から加入したばかりのDF馬渡和彰で、徳島時代にリカルド・ロドリゲスが始動した“チルドレン”だ。

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