2022年のJリーグ開幕が迫ってきた。各チームは初戦に向けて仕上げに入っていこうとしている。
目標を達成するには、明確なゴールの設定と、そこに至る道筋の逆算が必要だ。開幕戦は確かに大事だが、リーグ戦の1試合に過ぎず、その後もチームの歩みを止めないことが肝要だ。
ぶれなく前進するために必要なJ1の各チームが追いかける「理想」と、そこにたどり着くための道のりを探る。
■3シーズンぶりのJ1での戦い
ジュビロ磐田にとって、3シーズンぶりのJ1での戦いになる。今季の目標は当然、J1残留になるだろう。
ただし、1年間だけJ1での寿命を延ばすのでは意味がない。さらなる高みへ、未来へとつながる戦いぶりが求められるのだ。
磐田としては、野心的な補強を施したと言っていいだろう。最終ラインには、出場機会には恵まれなかったものの、U-24ブラジル代表として東京オリンピックに参加したリカルド・グラッサを迎えた。磐田の下部組織で育った袴田裕太郎は、左ウィングバック、あるいはサイドバックとしてもプレー可能。さまざまなシステムを用いることになりそうな今季の磐田で、重宝されることになるかもしれない。
そう、伊藤彰新監督は、戦術マニアとして知られる。ヴァンフォーレ甲府では成功に導けなかったものの、限られた戦力ながらもJ1昇格を争った。その引き出しの多さは、格上相手に戦うことになるチームを大いに助けるはずだ。