■シティ移籍後はCFとして新境地を開拓。得点力も身に付けた万能型アタッカーへ

 2020年夏にシティへ加入。公式戦デビューとなったレスターとのコミュニティ・シールドでは、なんと本職ではないCFとしてスタメン出場。

 以降、ここまでシティで出場した公式戦43試合のうち、およそ4割となる18試合でCFとして起用。グアルディオラ監督のもとで、相手DFに捕まらないようなインテリジェンス溢れるポジショニング力を手に入れ、ここまで16ゴールを挙げている。

 特にプレミアリーグ第3節アーセナル戦の2点目は、ペナルティエリア内でフェイントのステップを踏んで相手CBのマークを外し、完全にフリーの状態になってヘディングを叩き込むという本職のCF顔負けのゴールを見せている。さらにはキレキレのドリブルも健在で、在籍約1シーズン半ながら、得点数は早くもバレンシア時代を上回っている。

 また、今年の5月14日のニューカッスル戦での「超アクロバティックゴール」も話題になった。左サイドからのCKに対して、ニアに飛び込んだトーレスは、ゴールを完全に背にしながら右足ヒールでボールにタッチ。まさかの「バックヒール弾」となったシュートはそのままゴールに吸い込まれた。

 現在バルセロナを率いるシャビ・エルナンデス監督の恩師であるグアルディオラ監督の下、新境地を開拓したフェラン・トーレス。総額80億円という移籍金とも報じられているが、再びスペインでの活躍を期待したい。

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