■控えにするのは惜しいほどの実力者たち

 そのほかのベンチメンバーは、どの選手も先発で起用したいのが本音であるが、横浜F・マリノスから3人の選手を選出した。

 「悪魔の左足」の異名を持つタイ代表のDFティーラトンは、やはり左SBで起用したい。精度の高いクロスは特筆すべき特長である。浦和戦では、横浜FMの左サイドを駆け上がる彼のスピードに翻弄された印象だった。

 今シーズンの浦和はビルドアップのミスが目立ち、そこからボールを奪われて失点するという場面が多かった。そこで、卓越したパスセンスを持つMF扇原貴宏を選出。浦和との対戦では、強度の高い守備にも相当苦しめられた。扇原のような攻守の要になれる選手がいれば、さらに中盤が安定するだろう。

 FW前田大然も、浦和のワントップで見てみたい選手。ゴール前でボールを収め、決定的な仕事ができる前田は今の浦和にとって必要なタイプである。3月に3-0で横浜FMが完封した第4節でも、前田がボールを持つたびに、浦和の選手には焦りが見えていた。この試合では2得点を記録。ダミアンとの二択で、泣く泣く控えに回した。

 また、ヴィッセル神戸からはDF菊池流帆を推したい。10月に行われた浦和戦は5-1で神戸が圧勝。この試合で浦和は前半には江坂任、後半開始からキャスパー・ユンカーがワントップの位置で起用されたが、いずれも不発に終わっている。特に、点取り屋であるユンカーを菊池が徹底してマークし、ほとんどチャンスを作らせなかった。その封じ込められたシーンが強く印象に残っていたため、選出に至った。

PHOTO GALLERY 浦和担当記者Eの2021年ベストイレブン
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