■ホームで強い! 3位の甲府が4連勝!
磐田と京都が引分けたことで、3位のヴァンフォーレ甲府は勝てば勝点差を詰めることができる。ところが、4位のV・ファーレン長崎を迎えたホームゲームは、3分に失点を喫する苦しいスタートなってしまう。
今シーズンの甲府は前節まで18勝をあげているが、逆転勝ちがひとつもない。不吉なデータが忍び寄るが、長谷川元希が一掃する。11分、右足シュートがポストに弾かれ、跳ね返ってきたボールを自ら蹴り込んでスコアをタイに戻した。
1対1のまま迎えた65分には、ブラジル人FWがホームに歓喜を呼び込む。ウィリアン・リラが左サイドからのクロスに鋭く反応してプッシュする。長崎の反撃をしのいだ甲府は、2対1の勝利を手繰り寄せたのだった。
甲府はホームで強い。負けたのは5節のFC町田ゼルビア戦だけで、12勝5分1敗の成績を残している。ホームでつかんだ勝点41は、磐田の39、京都の38を上回ってリーグ最多だ。
これで今シーズン2度目の4連勝となり、勝点を66とした。31節終了時は昇格圏と「12」の開きがあったが、ついに2位の京都に「6」差まで詰めてきた。
試合後の伊藤彰監督は「まだ上とは差がある。我々が負けないこと、プレッシャーをかけること、これに尽きると思うので一戦一戦大切に、アグレッシブに戦いたいと思います」と、表情を緩めることなく話した。
このところの甲府の戦いぶりは、磐田や京都を上回る勢いを感じさせる。「1試合も負けられない」との悲壮感ではなく、「残り試合全部勝つ」というポジティブなエネルギーに満ちているのだ。先制点の長谷川は実に15試合ぶり、決勝弾のリラは5試合ぶりの得点と、試合ごとに新たなヒーローが登場しているのは、チームの一体感を表わしていると言っていい。
残り7試合で勝点6差は、まだまだ厳しい数字である。それでも、自分たち次第で昇格争いの結末を書き換えられる可能性を、甲府はしっかりとつなぎとめている。