■上田以外にも優秀な若手がひしめく鹿島

 上田は、このFC東京戦での得点で3試合連続ゴールとなり、J1リーグの得点ランキングでも13ゴールの4位(3位の古橋亨梧は海外移籍を果たしているので、3位に上がるのは時間の問題。2位は川崎フロンターレレアンドロ・ダミアン)。トップの前田大然横浜F・マリノス)とは5点の差があるものの、オリンピック世代の若い日本人FWが得点王争いで上位にいるのは実に頼もしい。

 しかも、前線でスピードを生かして走り回る前田大然と、しっかりと前線に張っている総合的CFタイプの上田綺世と、タイプの違うFW2人がうまく噛み合えば素晴らしいコンビネーションが生まれることだろう。

 上田以外にも、鹿島では若い選手が活躍した。

 守備陣はGKの沖悠哉(22歳)を始め、常本が23歳、関川郁万が21歳、町田浩樹が24歳とDFラインには若手が並んでいる。町田は1対1でのフィジカル的な強さを身に着け、また経験を積むとともに落ち着きを増している(なにしろ、若い選手が多いこのDFラインではリーダーシップを発揮しなければならない立場にいるのだ)。

 また、攻撃陣でも上田のほかに、途中交代で良いプレーを見せた荒木遼太郎がおり、鹿島は最年長のレオ・シルバや29歳の土居を筆頭に、今や25、26歳で年齢的に中堅となった安西幸輝三竿健斗。そして、20歳代前半の若手選手たち(荒木はまだ19歳)とベテラン、中堅、若手のバランスもよく、そんな中で若手が溌剌とプレーしているのだ。

 それに対して、第33節で対戦したFC東京は若手が伸び悩んでいるように見える。

 この日は、GKの波多野豪が不在だったこともあって、「若手」と言えるのは、23歳の安部柊斗と20歳の中村拓海の2人だけ。FC東京の先発11人の平均年齢は30歳を超えていた(30.73歳。対する鹿島は25.09歳)。

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4