■決して熱量が高くない試合の中で
鹿島は前節終了時点で勝点53の6位。FC東京の方は同46の9位という位置にいた。
6位の鹿島は数字上はACL出場権の3位の可能性を残しているが、ヴィッセル神戸、名古屋グランパス、浦和レッズもしっかりと勝点を積み上げているので、3位に入ることはかなり難しい状況だ。一方、9位のFC東京は3位を狙うことさえ不可能な位置にいる。
そして、両チームとも降格の心配もない。
つまり、優勝の希望はおろか、降格の恐れもない位置のチーム同士の試合。こう言っては(とくに、3位の可能性を残している鹿島には)失礼かもしれないが、“消化試合”とも言える試合だった。
試合は、実際、それほど白熱しなかった。しかも、その割に両チームの選手が倒れてゲームが中断する場面も多く、(これまた失礼ながら)あまり盛り上がったようには思えなかった。もちろん、両チームのサポーターは、とくにホームのFC東京が1点を追って猛攻を仕掛けた試合の終盤などは楽しめたことだろうが……。
これは見る側の問題でもある。まったく同じ内容の試合だったとしても、そこに「優勝」とか「残留」が懸かっている試合と、そうではない“消化試合”とでは、ついつい生ぬるい試合のように見えてしまうのだ。