今、日本代表を取り巻く環境は芳しいものではない。だが、代表チームとは突然急成長するものではなく、サッカーのある日々が底上げを果たしていくものだ。サッカージャーナリスト・後藤健生は、10月23日のJ1第33節、FC東京と鹿島アントラーズの対戦から未来を拓く鍵を見出した。
■残留争いは熾烈だが…
いよいよ終盤戦を迎えたJ1リーグ。10月23日(土曜日)の第33節では湘南ベルマーレ対横浜FC、徳島ヴォルティス対大分トリニータといった残留争いの“直接対決”が組まれていた。
これ以上熱い戦いはない。
1部リーグで戦えるのか、2部に降格するのか……。それによって、クラブ経営的にも大きな差が生じるし、選手や監督のキャリアとして大きな違いがある。ある意味で、優勝争いよりもさらに重要な試合なのだ。“直接対決”が熱くなるのは当然のことだ。
さて、そんな中で、僕が観戦に行った味の素スタジアムでのFC東京対鹿島アントラーズの試合は、そんな熱さからはまったく無縁の試合だった。