【「日本代表入りアピール」に成功するのは!?】「パリ五輪世代」U-22代表が始動!アジア最終予選で「四苦八苦」の森保ジャパン「弱点ポジション」注目選手【FW・左SB編】の画像
畑大雅(湘南)   撮影/原壮史

■U23アジアカップ予選は勝敗ではなく個々のプレーに注目

 2023年のパリ五輪世代が始動する。来年6月開催予定のU―23アジアカップの予選が、10月26日と28日に行なわれるのだ。

 福島県のJヴィレッジスタジアムを舞台とする予選は、カンボジア、香港との対戦だ。勝敗を占うような相手ではない。予選突破は当然のノルマである。

 だとすれば、注目すべきは個々のパフォーマンスだ。

 パリ五輪世代では、久保建英がすでに日本代表でプレーしている。ベルギー2部のロンメルで2シーズン目を過ごす斉藤光毅は、試合出場数を確実に伸ばしている。同世代の選手がすでに日本代表入りし、ヨーロッパでプレーしているのだ。日本代表の森保一監督にアピールするぐらいの気持ちで、今予選に臨んでいいだろう。

 日本代表で新たな人材が求められるポジションと言えば、まずは左サイドバックになる。長友佑都と彼の後継候補として中山雄太旗手怜央がいるものの、新たな選択肢の登場が待たれる。

 最終予選の直近2試合で、森保監督は豊富な経験を持つ長友を先発で起用し、終盤に中山を投入している。中山の起用には左足によるパスの配球と、高さを補強する狙いがあったと考えられる。というよりも、そうとしか考えにくい。

 今回のU―22日本代表では、畑大雅湘南ベルマーレ)と加藤聖V・ファーレン長崎)が左サイドバックの候補だ。畑は176センチ、加藤は171センチだ。現時点で中山が担っている役割には当てはめられない。どちらも左サイドバックとしての総合力で、勝負をしていくことになる。

 畑は02年1月生まれの19歳で、タッチライン際を何度もアップダウンできる。インテンシティと切り替えの速さ、それらの連続性が求められる湘南で揉まれているだけに、逞しさを増している印象だ。3バックを採用する湘南では左ウイングバックが主戦場となっているが、4バックにもスムーズに対応できるだろう。

 加藤は01年9月生まれの20歳で、今年3月にJリーグデビューを飾った。亀川諒史が長期離脱した長崎の左サイドバックの候補に浮上し、松田浩監督の就任とともに先発出場を増やしていった。

 ストロングポイントは左足のキックだ。相手GKとDFラインの間へ、高精度のクロスを供給できる。縦への推進力では畑に劣るものの、クロッサーとしてのクオリティは高い。リスタートのキッカーも任されている。

 所属する長崎はJ1昇格争いにギリギリでかかわっており、緊張感の高いなかで試合をしている。伸び盛りの20歳には、それもまた成長を促す環境と言える。

 26日のカンボジア戦、28日の香港戦のいずれも、攻撃の時間が圧倒的に長くなるだろう。畑も加藤も、攻撃力をアピールする必要がある。

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