■ベトナム戦で得失点差をプラスに
10月12日、ホームでオーストラリアを撃破した森保ジャパン。しかし、まだまだサウジアラビアとオーストラリアを追いかける日本は、勝点3を確実に積み上げていかなければならない。さらに言えば、勝つだけでなく得点も稼ぎたい。ベトナム相手にはサウジアラビア、中国、オマーンが3ゴールを記録している。4試合を終えてプラスマイナスゼロの得失点差をプラスへ持っていくためにも、グループ最下位のベトナム戦では複数得点とクリーンシートがマストだ。
そのためには、控えメンバーのバランスを変えるのも一計かもしれない。
オーストラリア戦では植田直通がCBの、室屋成が右サイドバック(と場合によっては左サイドバック)の、板倉滉がCBとボランチの、中山雄太が左サイドバック、CB、ボランチの控えとしてベンチ入りしていた。人数とポジションのバランスとしては適正で、25人の招集メンバーからはDF橋岡大樹とMF三好康児がメンバー外だった。
攻撃的な交代カードとして鎌田大地、古橋亨梧、浅野拓磨、オナイウ阿道が控えていたが、ベトナム戦ではDFをひとり削って攻撃的なカードを増やすのはどうだろう。そのひとりが堂安律なのか、久保建英なのか、それとも三笘薫なのか、あるいは前田大然なのか、それとも林大地なのかはともかく、各選手の所属クラブでのパフォーマンスを見定め、攻撃的なカードを増やして臨むことを考えてもいい。違う武器をひとつ搭載するのだ。その場合も招集メンバーは25人とし、ケガ人が出た場合に素早く対応できるようにする。
続くオマーン戦は、有観客のアウェイゲームとなることが濃厚だ。
試合会場のスルタン・カブース・スポーツコンプレックスは、アウェイゲームではお馴染みの会場である。陸上トラックがあるため圧迫感は薄いが、中東特有の空気感に包まれる。サウジアラビアに0対1で敗れた試合も、オマーンが決定機を決めていれば結果は変わっていたはずだ。
オマーンにはホームで敗れており、万が一にでも彼らと3位を争うことになったら、順位決定に直接対決の勝敗が関わってくる。勝点、得失点差、総得点で並んだ場合に当該チーム同士の勝点が問われる。オマーンを蹴落として彼らの希望を断つためにも、この試合を落とすわけにはいかない。
直近のベトナム戦で、オマーンはリスタートを効果的に生かしていた。チームとしてのプレーモデルは確立されており、今回も簡単な試合はならないだろう。
オマーンを試合前に揺さぶる意味でも、ベトナム戦にどのようなシステムで挑み、どんなメンバーを選ぶのかが大事になってくる。こちらの攻め筋を完璧に抑えられた9月の二の舞を演じないためにも、ベトナム戦が大事になってくるのだ。