■重要な「負けていない」事実と穴を埋める選手の台頭
この苦しい戦いの結果、川崎はルヴァンカップとACLで敗退を余儀なくされた。
ただし、試合には負けていないのだ。ルヴァンカップでは浦和と2引き分けに終わり、アウェーゴールの差での敗退。そして、ACLの蔚山戦はPK戦での敗退だった。
結局、苦しい状況の中で戦った川崎は、8月9日の大分トリニータ戦から9月26日の湘南戦まで、Jリーグ、天皇杯、ルヴァンカップ、ACLを含めて12試合を戦って6勝5分1敗。苦戦続きではあったものの、結局、8月25日のアビスパ福岡戦の1敗だけで乗り切った。
この間、故障者が相次いだDFとしては山村和也が入って穴を埋め、さらに山根視来が日本代表に招集されて不在だった浦和戦ではMFが本職の橘田健人が右サイドバックとしてプレー。橘田はそのスピードを生かして、あらゆるポジションでプレーできるユーティリティーなプレーヤーとして成長することになった。
毎年のように、海外移籍で主力選手が流出する中、次々と新しいタレントが加わり、このチームの中で成長していく。それが、川崎フロンターレというチームの最大の強みなのだ。まだまだ未熟で、メンタル的にも不安定のように見えるが、鹿島戦でスーパーゴールを決めた宮城もドリブルを武器とする魅力的な若手選手だ。