【J1分析】9月29日のヴィッセル神戸戦に勝てば「ほぼ王手」と言える理由【川崎フロンターレの連覇「当確ランプ」は点灯したのか?】(3)の画像
湘南戦で劇的な勝利を挙げた川崎は、このまま連覇まで突っ走れるか 写真:中地拓也
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 川崎フロンターレの2連覇は「もう当選確実」なのだろうか? いや、川崎はまず6連戦の最後の2試合を乗り切る必要がある。

 確かに川崎は勝負強さを発揮している。しかし、鹿島アントラーズ戦、湘南ベルマーレ戦では劇的な逆転ゴールで勝利した川崎だったが、どちらも勝点なしに終わっていてもおかしくはない試合だった。8月のJリーグ再開以来、川崎はシーズン前半のような圧倒的な強さは発揮できず、苦しい試合が続いているのは事実なのだ。

 夏の移籍期間に今シーズンの川崎の攻守の中心として活躍していた田中碧と、ドリブルの突破力と決定力によって、「個の力」によって結果を出し続けてきた三笘薫の2人が海外移籍を選択してチームを離れてしまった。

 これは、予見されていたことだが、さらにDFを中心に故障者が続出したことはまったくの想定外だったろう。

 まず、8月18日の天皇杯4回戦の清水エスパルス戦の前半19分には谷口彰悟がファウルを受け、いったんはプレーに戻ったものの23分に交代を強いられて、その後長期的に離脱してしまった。谷口は守備の要であると同時に、田中が抜けた後の中盤ではそのパス能力を使って攻撃を組織する仕事も期待されており、実際、清水戦でもボランチとしてプレーしていた。

 さらに、YBCルヴァンカップの準々決勝、浦和レッズとのファーストレグの前半にはジェジエウが左の腿を傷めて交代。後半には今シーズンは主にCBとして出場していた車屋紳太郎までもが交代を余儀なくされたのだ。ジェジエウは、浦和とのセカンドレグの後半に復帰するが、川崎はその後も谷口と車屋を欠いたまま戦わなければいけなくなった。

 そして、万全ではない状態の川崎は9月14日の蔚山現代とのアウェーゲームから“死の6連戦”に突入。まず、蔚山、徳島ヴォルティス、鹿島と中3日の日程でアウェー戦が続き、そして湘南、ヴィッセル神戸FC東京と中2日のホーム3連戦という日程だ。しかも、連戦の最初の試合、蔚山とのアウェーゲームでは非常にプレー強度の高い120分の延長戦を強いられたのだ。

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