■今週の2試合が「天王山」
神戸は、この夏の移籍で日本代表の大迫勇也と元日本代表の武藤の2人が加入して注目されている。
実際、清水戦でも大迫は前線でボールを収めて攻撃の起点を作ったし、武藤は持ち前の鋭い動きで相手DFラインの背後を狙い続けた。大迫の落ち着いたクロスを武藤がヘディングで決めた先制ゴールは、2人の特徴を生かしたゴールだった。
だが、まだ2人はチームに加わったばかり。組織力は万全ではない。アンドレス・イニエスタであれば、分かりやすい動きをする武藤を見逃すはずはない。たとえば、イニエスタは21分に中盤の深い位置から武藤が走り込むスペースに正確なロングボールを入れた(日本代表GKの権田修一がキャッチ)。
だが、後半、イニエスタが退くと組織が確立されていない現状が露わになったようで、武藤の動き自体が大幅にダウンしてしまった。
したがって、チームの総合力として川崎が上回っているのは間違いない。
だが、川崎というチームは前線からのプレッシングなど守備力も高いチームだが、個人能力のあるFWにDFラインの裏を取られてあっ気なく失点する場面も多い。イニエスタ、大迫、武藤などが絡み、酒井高徳や初瀬亮からのクロスも入ってくる神戸の攻撃力は川崎にとってはやはり大きな脅威になるだろう。
6連戦の5戦目という、疲労の溜まった状態で戦う川崎。神戸戦から中2日の10月2日の土曜日には第31節、FC東京との「多摩川クラシコ」が控えている。この6連戦の残り2試合で勝点6を獲得すれば、川崎の2連覇はほぼ決まり。2試合で勝点3であっても、川崎が圧倒的優位であることに変わりはない。
川崎にとって、今週の2試合は“天王山”となる。