■千葉の190センチ櫻川は五輪を刺激に成長
1人目はFW櫻川ソロモンだ。久保建英が誕生した2か月後、2001年8月生まれの20歳は、23年パリ五輪のエース候補である。
ナイジェリア人の父を持つ彼は、190センチ、91キロの世界基準なサイズを持つ。高さを強みとするのは言うまでもなく、ボールタッチが柔らかで前線で起点となり、巧みな動き出しでサイドへ流れてプレーすることもできる。ひと言にまとめれば「スケールの大きなストライカー」となるのだが、今夏に成長速度を上げる刺激を受けた。U-24日本代表のトレーニングパートナーに指名されたのだ。
東京五輪を前に最終調整を進めるチームに、山本理仁(東京V)、武田英寿(FC琉球)、藤田譲瑠チマ(徳島ヴォルティス)ら同世代の5選手とともに合流した。日本代表で主将を務めるオーバーエイジの吉田麻也や、同じストライカーの上田綺世や林大地からアドバイスを受けた。
東京五輪後のJ2リーグ25節から、6試合連続で先発に名を連ねている。ブラジル人FWサウダーニャを抑え、3-4-2-1のシステムで1トップを務めているのだ。8月28日のV・ファーレン長崎戦では、左CKからヘディングシュートを突き刺した。
前線からの守備にも献身的だ。それもまた、U―24日本代表のトレーニングパートナーとして得た刺激だろう。千葉のユン・ジョンファン監督は長崎戦後に「代表へ行って気づいたことがあったと思う。足りないところを練習しているし、練習したことが成果として表れている」と評価した。櫻川自身、「自分も日本代表を目ざさなきゃいけないと、目標が明確になった」と話している。
特大のポテンシャルを考えれば、ここまで18試合出場で2得点は物足りない。J2リーグの中位にあるチームを自らの得点で押し上げることが、他でもない自身の可能性を拡げることになる。