「警告灯」が灯ったルヴァンカップの浦和戦【川崎フロンターレの正念場】(1)の画像
負傷退場する川崎CBの柱ジェジエウ 撮影:原悦生

悪い予感などまったくなかった。すべては順風満帆のように見えた。鬼木達監督の就任以来、4シーズンで3度のJリーグ優勝を遂げている川崎フロンターレ。今シーズンもその破壊的な攻撃力で他クラブを圧倒し、優勝への最短距離をハイスピードで駆けていた。ところが東京オリンピックの中断期間が明けると、川崎の前には暗雲が立ち込めていた。いったい何が起こっているのか。再び快進撃を再開することができるのか。フロンターレの明日はどっちだ。

オリンピック中断までは快進撃だったが


 昨年からことし前半にかけて圧倒的な強さを誇ってきた川崎フロンターレが「正念場」を迎えている。

 Jリーグでは横浜F・マリノスに追い上げられ、ともに27試合を終えた時点での勝ち点差はわずか4(川崎66、横浜FM62)。そのうえ、相次ぐ若手主力の流出と故障者続出で、チーム編成にも苦労する状況だ。

 今季、川崎は大きな補強もなく新シーズンにはいった。圧倒的な強さを見せて鬼木達監督就任以来4シーズンで3回目のJリーグ優勝を飾った昨年のチームを熟成させ、さらに攻撃力を上げて臨んだシーズン。7月までは2位以下に大差をつけ、ことしも川崎がぶっちぎりの優勝かと思われた。

 6月から7月にかけて集中開催で行われたAFCチャンピオンズリーグACL)のグループステージでも、韓国、中国、フィリピンのクラブを相手にせず6戦全勝。浦和レッズガンバ大阪鹿島アントラーズに次ぐJリーグ勢からの4クラブ目のチャンピオンとなる可能性は十分と、高い評価を受けた。

 オリンピックによる約1カ月間の中断を迎える直前、ウズベキスタンでのACLグループステージから戻ってきた川崎は、「中2日での6連戦」の疲れも見せずにアウェーで清水エスパルスに2−0で勝利。この時点でJリーグは22戦して18勝4分け、総得点53、総失点15。勝ち点は早くも58に達し、試合数は川崎のほうが2試合多いとはいえ、2位横浜FMに勝ち点で12もの差をつけて独走していた。

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