横浜FMの破壊力を支える「超ハイレベル」サイドバック陣「川崎フロンターレと横浜F・マリノス」【J1死闘】(1)の画像
8月21日、横浜F・マリノスーベガルタ仙台戦の試合後、勝利を喜ぶ横浜FMイレブン 撮影:中地拓也

破壊的な攻撃力を武器に猛追する横浜F・マリノスに、手負いながらも首位を譲らない川崎フロンターレ―。Jリーグの首位攻防がデッドヒートの様相を見せてきた。ここまで首位をひた走ってきた川崎の失速の原因は何か、その攻撃力に復活の見込みはあるのか。勢いのついてきた横浜FMの強さは、ハイレベルなリーグ上位チームを相手にどこまで通用するのか。2021年J1リーグはいよいよ佳境に突入する。

■首位・川崎に2位横浜FMが最接近

 代表ウィーク直前のJ1リーグ第27節。とくに横浜F・マリノスのファンというわけではなくても、“首位の交代”を期待した人も多かったのではなかろうか。

 開幕以来首位を独走していた川崎フロンターレが8月に入って失速。14日の第24節では柏レイソルの激しい守備に苦しんでスコアレスドローに終わり、続くサンフレッチェ広島戦ではレアンドロ・ダミアンの得点でなんとか追い付いたものの1対1の引き分け。そして、ミッドウィーク開催となった25日の第26節で川崎はアビスパ福岡に敗れてしまう。J1リーグでは昨年の11月の大分トリニータ戦以来、今シーズン初の敗戦だった。

 第24節から第26節までの3試合で川崎は2分1敗。得点も3試合で1点のみという結果だった。「1試合3得点」を公言して憚らなかったあの川崎が、である。

 一方、川崎を追っていた2位の横浜F・マリノスは絶好調だった。

 8月12日にニッパツ三ツ沢球技場で行われた第18節延期分の名古屋グランパス戦で守備の堅い名古屋相手に2対0でしっかり勝利すると、第24節、25節では大分トリニータ、ベガルタ仙台と下位チーム相手ながら2試合連続で5ゴールを奪って「三ツ沢3連戦」で全勝。そして、25日の第26節のアウェー戦でも堅守を誇るサガン鳥栖を4対0で撃破。同日の試合で川崎が福岡に敗れたことで、ついに川崎と横浜FMの勝点差は「1」に縮まり、得失点差も「+39」で並んだのだ。

「この勢いをもってすれば、第27節にも首位が入れ替わる可能性がある」と多くの人が思ったのも無理はない。

 しかし、第27節では川崎は14時から札幌ドームで行われた北海道コンサドーレ札幌戦に2対0で勝利して首位を守った。内容的には札幌に支配されていたものの、小林悠の1ゴール・1アシストの活躍で結果を手繰り寄せた。そんな試合だった。

 そして、19時から日産スタジアムで行われた鹿島アントラーズとの試合で、横浜FMは自慢の攻撃力を封じられて0対2の敗戦。こうして、川崎と横浜FMの勝点差は再び4ポイントに開いたのだった。

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