■6ポイントマッチで大宮が松本を撃破!
ボトム9のサバイバルが熾烈だ。前節終了時点で14位のツエーゲン金沢から22位の相模原までの9チームが、勝点差6の間にひしめき合っているのだ。
ボトム9の直接対決となる6ポイントマッチが、今節は3試合実現した。18位の愛媛FC対19位の栃木SC、16位のザスパクサツ群馬対14位の金沢、それに21位の大宮アルディージャ対17位の松本である。
栃木は12試合ぶりの勝利をつかんだ。9分に畑潤基が決めたPKを守り切り、5月23日以来の白星をあげた。田坂和昭監督のチームは17位に浮上し、愛媛は20位に後退した。
群馬対金沢はスコアレスドローに終わった。群馬が6試合負けなしで手堅く勝点を重ねているのに対し、金沢は6月中旬から8試合勝利がない(2分6敗)。上位との対戦が多かったことで難しい試合が続いたが、ボトム9に吸収されてしまった印象だ。
大宮対松本は大差がついた。ホームの大宮が今シーズン2度目の1試合4得点と7試合ぶりのクリーンシートを達成し、4対0で勝利したのだ。
ファジアーノ岡山に0対1で敗れた前節も、内容的には勝ちゲームだった。河田篤秀のゴールが2度取り消されたのだ。
松本戦を迎えるにあたって、霜田正浩監督は「岡山戦ではいいプレーをして相手をしっかり崩して、2点取って逆転した。そのふたつが認められずに誰もが悔しい思いをしたけれど、点を取ったことにフォーカスをあてていきたい」と話していた。
果たして松本戦では、アグレッシブな姿勢で主導権を握る。前線からのプレスと相手守備陣の背後へのパスを織り交ぜ、33分に河田が先制点を奪う。小島幹敏と黒川淳史のお膳立てが絶妙だった。
霜田監督はチーム浮上のポイントとして、「複数得点」をあげている。「1失点しても勝ち切るには、2点取らないといけない。2点取るサッカーをしないといけない」と話し、「1点取って守り切って勝っても、観ている人はつまらないじゃないですか」と、攻撃的な姿勢の重要性を口にしていた。
2点目は後半開始直後に奪った。その後も75分と80分に加点した大宮は、ホームのNACK5スタジアムでほぼ5か月ぶりとなるシーズン4勝目をあげた。霜田監督の就任以降では、5試合目でホーム初勝利である。
試合後の霜田監督は「まだまだ大喜びする順位ではない。一回しか勝っていない」と語った。途中出場でシーズン4得点目を決めた中野誠也も「この1勝だけでは何も変わらない」と話し、2試合連続のホームゲームとなる次節の東京V戦へ気持ちを切り替えていた。
順位は前節と同じ21位である。依然としてJ3降格圏だ。しかし、勢いを生み出す勝利なのは間違いない。順位をあげていくチームは、好転のきっかけを見逃さないものだ。9月5日の東京V戦は、彼らにとってシーズンを左右する一戦になる。