【J2熾烈な戦い】東京オリンピック代表・谷晃生だけじゃない!押し寄せる「新世代きら星GK」の波【戸塚啓のJ2のミカタ】(2)の画像
東京オリンピックでも大活躍した谷晃生(湘南ベルマーレ)   写真/中地拓也
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■3位琉球は水戸に苦杯! 20歳のGK猪瀬の好守も実らず

 前節終了時点で3位のFC琉球は、ホームで水戸ホーリーホックと対戦した。

 ケガ人続出で緊急補強に動いた琉球は、新加入の金井貢史が右SBで2試合連続先発する。前節は途中出場からFKを決めた武田英寿も、4-2-3-1のトップ下でスタメンに名を連ねる。

 新加入選手が注目をされるなかで、チームを支えたのはGK猪瀬康介だ。

 レギュラーGK田口潤人の負傷で17節に今シーズン初出場を果たすと、そのままスタメンに定着する。リモートマッチで開催されたこの日は、前半に訪れた2度のピンチを阻止した。プロ3年目の20歳は試合を作ったが、65分に松崎快にゴールを許した。至近距離からの強烈な左足シュートは、好守を見せていた猪瀬にもノーチャンスだった。

 試合後には「体がキツくなってくる後半の時間帯に、もっとコーチングであったり、ボールが来る前の予測をさせておけば、あのような失点はなかったのかなと思っています」と振り返ったが、彼の好セーブがなければ接戦には持ち込めなかった。

 猪瀬はエリートではない。流通経済大学付属柏高校では、最後まで定位置をつかめなかった。無印のまま琉球でプロキャリアをスタートさせ、今シーズンついにチャンスをつかんだのだった。

 正GKの田口は5月末のリーグ戦で負傷し、全治まで10週間から12週間と診断された。順調に回復していれば、9月には戦列に復帰してくる。猪瀬にとっては1試合1試合が勝負で、定位置を揺るぎないものにするための努力が、そのままJ1昇格争いを演じるチームの力となる。

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