■山形はピンポイント補強と既存の戦力復帰で陣容充実

 新戦力の分かりやすい活躍はなかったものの、チームとしての好調さを見せつけたのは山形だ。ピーター・クラモフスキー監督の就任から10戦負けなし(9勝1分)とハイペースで勝点を積み重ねてきたが、中断期間を挟んでも勢いは衰えていない。

 ジェフユナイテッド千葉をホームに迎えた今節は、3対1で快勝した。42分に藤田息吹の得点で先制し、直後に田口泰士のスーパーボレーで追いつかれるものの、後半に入った51分に林誠道のゴールで勝ち越す。68分にはヴィニシウス・アラウージョが加点し、危なげなく勝点3をゲットした。

 山形のスタメンは、中断前とほぼ変わっていない。それでも、選手層は厚みを増した。

 横浜F・マリノスから樺山諒乃介が加入し、この試合でデビューを飾った。前2試合を欠場していた南秀仁も、戦列に復帰している。中盤のタレントは揃っており、出場停止やケガなどのアクシデントにも対応可能な陣容となった。1・5列目で際立った存在感を発揮する山田康太だけは、取り換えの効かない存在だが……。

 前線ではヴィニシウス・アラウージョの復帰が心強い。5月30日の相模原戦を最後に欠場していたが、千葉戦の66分からピッチに立ち、わずか2分後に3月7日以来およそ5か月ぶりのゴールを決めた。

 ヴィニシウス・アラウージョと言えば、昨シーズン後半の爆発が印象的だ。25節からの18試合で13ゴールを叩き出し、チームをジャンプアップさせた。すでにJ1昇格争いのなかで無視できない存在となっている山形だが、28歳のブラジル人が昨シーズン同様の活躍を見せれば、さらなる浮上へのブースターとなるだろう。

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