■「どこかで自らそれを断ち切らないといけない」
その相馬にボールが渡っても、ドリブルを仕掛けることが容易ではなかった。横浜FCは中断期間中に守備を構築。特に、素早い寄せで名古屋のリズムを奪ってきた。最終ラインまで執拗に追ってくることで、苦し紛れにパスを出せばそれを拾われてカウンターを繰り出される。前半のシュートは4本ずつだが、スコアは0-2と引き離されて45分間を終えた。
後半に入り、相馬も含めてアタマから2枚替えを敢行するなど打開を試みたが、ゴールが遠かった。攻撃はいずれも単調で、マッシモ・フィッカデンティ監督も「ボールを保持しながら、相手を動かしていこうというサッカーを最後までやり切るエネルギーがチーム全体として弱かった」と完敗を認めざるを得なかった。
「シュートが1本とか2本でも強いと言わせるのが武器だった」
指揮官がこう語るように、名古屋の流れは良くない。この黒星によって5戦未勝利となり、川崎フロンターレと競っていた優勝争いから大きく後退している。
「どこかで自らそれを断ち切らないといけない。自分たちがどういう状態でいるのか、謙虚に見つめ直し、もう言い訳のできない状況の中でどうやって抜け出すか、必死になってやっていく、そういう位置に自分たちを置けるかどうかが問われている」
イタリア人監督がこう絞り出すのも仕方ない状況だ。