■三笘が入ったことで久保のプレーも整理された

 3点リードで無理をしなくていいメキシコは、三笘が出場してから守備に人数をかけ始めました。今大会だけではなく、これまでの日本はこういったシチュエーションでゴール前に籠城されると、なかなか崩せずに試合が終わることもあったのですが、メキシコが守備を厚くする選択肢を選び、警戒網を引いたなかでも、得点機をいくつも作ることができた。0対3の展開だったり、メキシコが引いてきたりと、色々なエクスキューズはありますが、得点機を作ったことはもっと評価されるべきポイントだと思います。もちろん、ゴールを奪ったことも。

 三笘が入ったことで、久保のプレーも整理されましたね。彼のコメントにもありましたが、まず三笘を見るようになった、と。三笘という局面を制する選手が入ったことにより、相手の目がそこに集まり、周りに時間ができた。久保だけでなくその他の選手にも時間ができた。

 それまでは激しいプレッシャーを受け続け、ボールが来てからわずかな時間で考えなければならず、瞬間的に判断していけるか、失うかという攻撃でした。しかし、三笘の出場後はメキシコの体力が落ちたということもありますが、それぞれに時間ができる形になり、味方と相手をしっかりと認識しながらより安定した攻撃、連動性のある攻撃につながっていきました。

 メキシコ戦のパフォーマンスをもって、三笘はフル代表に定着とか、海外でも活躍できるとかいうことではなく、今日のシチュエーションではしっかり彼の武器を発揮できたという分析です。ただ、このプレーを見せられると、繰り返しになりますがスペイン戦で見たかった。三笘ならいけたんじゃないか、と思わずにいられない圧巻のプレーぶりでした。

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