■「10年前と比べて選手層はものすごく厚くなっている」
後藤「日本の女子サッカーのレベルは間違いなく上がっているんだよね。2011年の頃は、本当にひとにぎりの代表選手たちがすごかった。当時のなでしこリーグは、1部でも、下位チームにはボールを蹴れないような女の子がいるし、上位チームですら穴になるポジションがポコポコあった。けど、今はそんなことない。
今年はWEリーグというプロに行くチームが抜けた後、その残りのチームでなでしこリーグをやっているんだけど、それでも女子サッカーではなくて、普通のサッカーをやっているんだよね。もちろん男子サッカーとはフィジカルも違うけど、スペースへのパスとか、ポストプレーとか、そういう普通のサッカーの方向でやっている。その流れと、日テレ・東京ヴェルディベレーザ的なテクニックを合わせれば、強いチームができあがると思うんだけどね」
大住「たしかに後藤さんが言うように、なでしこジャパンの力になれる様な選手層は、10年前と比べると、ものすごく厚くなっているよ。ちなみに後藤さんは、どのチームを見たの?」
後藤「スフィーダ世田谷FCとか、セレッソ大阪堺レディース、ニッパツ横浜FCシーガルズ。どのチームにも、しっかりとしたキーになる選手がいて、フィジカル的に強い選手もいる、そしてそれを活かすような戦いかたをしているよ」
大住「どこも中心選手は、どんどんWEリーグへ移籍しているんだよね。それでも、次の選手がしっかりと出てきているよ」
―その可能性を活かしてほしいですね?
後藤「それを活かせるような監督を選んでほしい」
―やっぱり監督問題ですか?
後藤「もちろんそうだよ。監督がどういうチームを作るかハッキリさせて、それをピッチ上に落としこむ。良い選手を育てるというのは絶対に大事だけど、それは今の日本女子サッカーは、すでに向上しているから。その良い選手たちをすくい取って、ひとつのチームとしてまとめ上げられる監督がほしい」