■「イエローカードが多いのが最近の傾向」

大住「とにかく最近の国際大会での日本代表としては、イエローカードの量が異常に多いんだよね。裏返して言えば、それだけ踏み込んでいる、つまり選手たちがよく戦っているという証拠にもなるんだけど、結果として今までのイエローカードの半分くらいは必要ないんじゃないのって思ってしまう」

後藤「だから、累積警告で準々決勝に出場できないのが酒井宏樹ひとりで済んだというのは非常によかった」

大住「でも、残り5人が次の試合でカードをもらうとダメなんだよ、準決勝は出られない。ニュージランド戦には出られるけど、ベンチでカードを貰った中山雄太遠藤航田中碧堂安律、富安健洋は、ニュージーランド戦でカードをもらっちゃうと、準決勝に出れなくなっちゃう」

―それだけ、日本がガチガチに行っていたということでしょうか。では、そろそろ具体的なプレーの話に移りましょう。予選リーグ3試合を通して、久保は3得点をあげました。

後藤「またうまく彼のところにボールが来るんだよね。南アフリカ戦はえらい手こずったよね。ただ、同じく手こずった試合でも、なでしこジャパンのチリ戦では日本の選手たちがだいぶ焦っていたのに対して、男子のほうは焦らず慌てず、最後に1点を取ったのはさすがだった」

大住「久保建英のシュートにはびっくりしたね。横向いて蹴っていたよね?」

―今まで見たことなかったシュートでしたよね?

大住「すごいよね。日本代表の試合でも、何十年も見たことないようなシュートだった。

試合全体の話をすると、前半は少し時間を無駄にしたなと言う感じはした。相手が完全に引いて構えているから、あまりリスクを冒さずに戦おうとして、45分間を無駄にしてしまった」

後藤「相手があれだけ中央を固めて、スペースを与えないようにパスを回しているだけだと、なかなか崩れないよね」

大住「もうちょっと、揺さぶりをかけても良かったかも」

後藤「誰かが強引に中に飛び込んでいくか、ドリブルで外すか、ミドルシュートを打つとか、そういう試みをしないと崩れないよね」

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