■「前半の選手がよすぎた」「後半はちょっとね」
大住「日本が大量に選手を入れ替えた後半のバラツキと比べると……」
後藤「いかに、前半に出ていた吉田、冨安、酒井がすごいのかを際立たせちゃった」
大住「そうそう」
後藤「前半はピンチがあっても、なんとかしのげるような気がしたけど。後半は、スペインのシュートが全部入っちゃうんじゃないかって気がして」
大住「ディフェンス4人の高さや距離が揃わないんだよ。前半は、ものすごくキレイに同じ距離で並んでいたんだよ」
後藤「並んでいると言っても、ちゃんと行くところは行くしね。ラインブレイクをして詰めに行くとか、そのタイミングが、とても良かった」
大住「今日は遠藤航が、その組み立ての時に、センターバックの2人のあいだに何度も入っていたでしょ? 前の試合では、あまりやっていなかったんだけど。そして遠藤がいなくなったら、田中碧が、あのポジションに入ってやっていた。あそこに、この1週間の変化と言うのがあったね」
後藤「あそこで遠藤、田中が揃っていればね。ひとりがそれをやって、ひとりがパスを出しに行ける。結局、田中もそっちのほうが忙しくて、得意のパス出しまで行けなかったんだけどさ」
大住「板倉滉と役割を変えたほうが良かった気がするよね」
後藤「今日の板倉は良かったもんね」
大住「板倉自体は本当に良かった。1試合を通じて、非常にレベルの高いプレーをしていたね」
―それでも、田中にボールが集まっていましたね。
大住「いや……だけど、田中にボールが行っても、苦しまぎれのパスになっていたから。田中から受けようって選手が全然いなかった」
後藤「そうなんだよ。田中は一生懸命にパスコースを探しているんだけど、戻すしかなくなっていた。あそこでしっかり持って、前を向いてパスコースを探そうとするのが、さすがなんだよ。むやみに蹴ろうとしなかった。
相手が来たら、パッとそこでキャンセルもするしさ。さすがは田中なんだけど、結局はパスコースを見つけられずに戻さざるを得ない場面が多かったよね」
大住「あれでパンッと受けて、前に出られればチャンスが生まれるんだけどな」
後藤「もっと信じて誰かが走っていないとね。せっかく走れる選手が出ていたのに」
大住「田中が持ったら誰かが受ける、という事にしないとさ。もったいないよ」
―前田大然は、もうちょっとコースを狙ったほうが良いと?
大住「前田は、そこまで悪くなかった」
後藤「守備も頑張ったし」
大住「前田の良さというのは、スペースに走って、そこでパスを引き出して、攻撃の起点を深いところで作ること。それはできていたと思うよ」
後藤「上田綺世が全然ダメだったから、今日は最後までトップを前田にしたほうが良かったよね」
大住「そうだよね。上田のところで、全部取られちゃったしね」
後藤「今日の上田は動けないし、ほとんど何もできなかった。まるで、なでしこジャパンのセンターフォワードみたいだよ(笑)」