■「左サイドバックは中山でもよかったかも」「悩みどころだよね」

―今回のスペイン戦のスタメンについては、どのように思われましたか?

後藤「今のメンバーの中で、ちゃんと組んだのが前半でしょ。後ろは不動のディフェンスラインで、2列目も不動のライン、そしてセンターフォワードには、最もコンディションの良い林を入れた。ほぼベストのメンバーだよね。なぜ、田中を後半に持っていったのかは知らないけど」

大住「田中はコンディションが良くなかったからね、試合も全然やっていないし」

後藤「そうそうそう。今年の前半には試合をやりすぎたしね」

大住「左サイドバックは中山雄太でもよかった気はする」

後藤「そこが悩みどころだったね」

大住「中山は、力がすでに分かっているからだろうけどさ。旗手怜央も悪くなかったね」

後藤「そうそう、左サイドバックでもできるしね。最後はサイドハーフもやらされて。頑丈な人はそういう扱いなのかな、って思ったけど」

大住「けど、前半はあそこでリズムが崩れることが多かった。もっとダイレクトなプレーでリスクを冒してもいい気がしたんだけど、旗手はリスクのないプレーをしていたね。もっと行ってよかったよ」

後藤「まあ、サイドバックは本職じゃないし。相手はマルコ・アセンシオだしな」

大住「ははは。相手の名前は知らないほうが良いんだよ」

―そう考えると、前半はよく持ちこたえましたね。

大住「たしかに相手は上手くてリズムも良かったから、なかなか難しい面はあるんだけど。やっぱり、相手をリスペクトしすぎ。スペインだとか、ユーロに出ていた選手だとか、そういう部分がチラッとあったよね」

後藤「うん、あったね」

大住「比較にはならないけど、かつてロシア・ワールドカップでベルギーと戦った時の日本代表とは、やっぱり違うなと言う感じはしたよね」

後藤「今日はそのイメージを消すというか、中和するための試合だった。相手も上手かったけど引き分けたんだし、後半にメンバーを変えても引き分けたんだぜ、ってさ」

大住「たしかにスペインは上手かったけど最後のところで抑えられるよ、っていうイメージは持てたかもしれないね。中盤は抑えがたかったけどさ」

後藤「スペインの中盤はすごいよな。ひとりひとりが上手いし、良いポジションに入って受けるから、受けた瞬間が本当に楽なんだよな」

大住「打開力が本当にあるよね。たとえ問題を突きつけられても、すぐに打開する」

後藤「それで最後はゴール前で短いパスを、ポンポンッと簡単に繋いでね」

―いとも簡単にプレーをしているように見えましたね。

後藤「そう、さすがです」

大住「優勝候補だよね」

後藤「スペインはヨーロッパの中で一番本気なんだから」

第2回につづく
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